それでも世界はまわる -white snow-
「風吹、ほら起きろ。もう朝礼始まるぞ?」

「え?」

美佳はふっと身体を起こした。

その時桜の葉が、ひらりと床に落ちた。

「やっと起きたか」

彼は前と同じように美佳を見つめ、前と同じように出席簿を持ち、前と同じように綿のパンツを履いていた。
しかし上の服は前とは違い、スーツの下にセーターを着てネクタイをしめている。

今回は簡単に目を開くことができた。眠っていたという感じではない。
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