それでも世界はまわる -white snow-
今の美佳の席は、一番左側の前から二番目。隣の友人も、黒板に書かれていることも、掲示板もさっきまでとは違う。

状況が違うことは明らかだった。

しかし、美佳はそれを気にも留めず、ぼんやりとした意識のままドアに向かった。

彼女がそれを閉めた後、教室中が再びざわつき始めた。それがいつもの光景。

ここは山奥にある水瀬と違って海のそば。廊下に出るとスカートには海風がとても寒い。

寒いのに、なぜだかすっきりしない頭をかかえて、美佳はまだ記憶に新しい校長室への道を歩いていた。
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