それでも世界はまわる -white snow-
「・・・え?」

「やだなぁ、先生。まだ結婚してないですよ」

「はは、そうだったな。でもそれにしては出産が早い。驚いたよ」

隣で慎吾が苦笑する。

美佳はただその場に立ち尽くしていた。頭が整理できない。

「ついては出産祝いとして・・・」

校長が白い封筒を差し出した。それには例のごとく赤い結びの飾りが付いている。
そして宛名の部分には、はっきりと「村上慎吾様・美佳様」と記してあった。
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