それでも世界はまわる -white snow-
あの期間二度と経験したくないような苦痛を味わった、しかしそれ以上にたくさん大切なものを得ることができた。
これから先とても忘れることなどできない、生涯の思い出になる出来事だ。

そんなことなど気にも留めない風に智之は笑い続ける。

「慎吾に食わせてやろう。僕が持ってくけぇ、見ときんさいよ」

美緒奈の手からキャンディーをひとつ奪うと、冷静なふりをして慎吾の元へと歩き出した。
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