ラヴレターを君に


君の残された時間が
僅かだと知って

一瞬一瞬を

大切にすることができた。

小さな幸せが
大きなことに思えた。


奇跡だって
信じれたのさ。

いや、
何かにすがりたかったのかもしれないね。


君は弱音を吐かなかった。


髪が抜けても
外に出れなくても
辛い治療にも

弱音を吐かなかった。


でも
たった一度、僕に弱音を吐いてくれたね。

あれは、
決意かな?


『走りたい』

痩せ細った身体が

どんな健康体よりも

綺麗に見えたよ。



< 12 / 30 >

この作品をシェア

pagetop