ラヴレターを君に

君がこの世からいなくなって


僕はいっぱい泣いたよ


涙って枯れないんだよ


次から次に流れるんだ


人は涙の数だけ
強くなれるというけれど


そんなの嘘だ。


僕の涙は
『無』で
それ以上も以下もなかったよ。



…それにね

さくらんぼの飴玉を

持ってきてくれる君は

もういないから

…元気なんてでるはずもなくて。


怖かったよ。

君がいない世界で

息をするのも。

笑うのも。

今まで
横には君がいたから。

君がいたから

乗り越えてこれたのに。

もぅ君はいないから

まるで何も知らない
赤ん坊のように

何もない所で
さ迷い、這いつくばった。


初めて君がいない世界で

僕は泣いた。

肩を叩く君はもういない。

すっごく、怖かった。



でもね…


君がいないって

自覚するのが

一番
怖かったよ…。



君のいない初めての世界は


白黒のモノクロ写真でした。

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