ラヴレターを君に
さくらへ
この想いを
何度も君に伝えようと
努力したけれど
思ったより
僕は不器用で
言葉に出来なかったので
文字にして
さくらにこの手紙を贈ります。
さくら。
2月9日
17歳の誕生日おめでとう。
そして、明日は僕の誕生日だ。
忘れてたら承知しないんだからな。
僕らが出逢ってから
もう17年にもなるんだね。
まだ…、かな?
いや、僕らの母親は
小さな頃から仲が良かったから
もっと前から
さくらと出逢っていた。
不思議だね。
僕らは
この世に生を受ける前から
一緒にいることを
約束されていたんだよ。
覚えているかい?
僕らは
誕生日が一日違いで
ずっと一緒にいたから
よく双子に間違われたね。
あまりに周りが言うものだから
さくらは本当だと勘違いして
近所のおばさんから親類にまで双子だと僕を紹介してた。
あれには、ビックリしたよ。
さくらの母さん、困ってたぞ。
僕を双子だって言う顔が
とっても嬉しそうで。
僕とさくらの母さんは
何も言えなかった。
それに
ずっと言い続けたら
本当に双子になれると信じていたんだ。
兄弟だったら
さくらとずっと一緒に
いれるだろう…?
でも、なれなかった。
…真実を告げたとき
さくらはワンワン泣いたね。
さくらは一人っ子だから
ずっと兄弟を欲しがってたもんな。
僕はどうしていいか分からずに
ただなんとなく
黙って、たまたまポケットにあったさくらんぼの飴玉を差し出した。
すると、すぐ泣き止んで
笑う、さくら。
…本当に現金な奴だよ。
まぁ、僕もその笑顔で
すぐ許しちゃうんだけどね。
それから
僕は決まって
さくらに何かあった時は
さくらんぼの飴玉を差し出した。
いつも僕のポケットには
さくらんぼの飴玉があったよ。