少年Sと知識の泉
「本かい・・・?
 あるよ、あるよ1冊だけだがね」


ヒヒヒと相変わらず、薄気味悪い顔で、


話しかけてくる。




うーん、胡散臭い人っぽいけど、


どんな本か、一度見てみたい。


だって、裏通りの本だから。


「本当かい、お婆さん?!
 それ、安いの?どんな本?」


シュタインはわくわくしながら、


老婆に話しかけた。


すると、老婆はローブの中から、

一冊の分厚い本を取り出した。


「コレなんだがね、ラテン語で書かれている本。
 御代はなしでいいんだけど、これをあげよう。
 でも、一つ条件があるんだよ。いいかい?」


「なんだよ、お婆さん条件って?」


老婆はにやりと笑い、なんとも薄気味


悪い感じがした。

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