空を翔ける一筋の流れ星
二限は俺の一番嫌いな授業であり、一番苦手な授業のテストだ。

都市型経済とか言われても、田舎育ちの俺にそんなこと分かるわけがないじゃないか。

そう思うのは言い訳であり、ちゃんと授業を聞き、勉強をしていれば何ら問題なくテストに臨めていたのだろう。

それでも、やはり嫌いな授業の勉強というのはできない・・・



何とか、テストの半分くらいは書くことができた。

書くだけであって、これがちゃんとした答案になっているかは、採点をする教授もしくは試験官役の生徒のみ。

正直、全く自信がない。

そう思っているうちに、残りの問題をやる気力が自分でもはっきりと分かるくらい失われていく。


(分からないのなら、ジタバタと悪あがきせずに分からないなりに堂々としてればいいじゃないか)


こうなると、自分の都合のいいように考えてしまうのが俺の悪い癖だが、ここまで考えてしまってはどうすることもできなかった。


「この問題なら、こうですよ」


「おっ、サンキュー」


不意打ちのように答えを言われたので、ついつい声を出してしまった。



顔を上げて周りを見ると、ほとんどの生徒の視線が俺に集まっていた。

生徒だけじゃなく、試験官や教授までジッとこちらを見ていた。

これじゃ、まるでカンニングをしたようじゃないか。
< 12 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop