空を翔ける一筋の流れ星
女の子は長い髪を撫でながら、背筋を伸ばした。


「神泉空。

大学二年生です」


「しんせん・・・

美味しそうな名前だな」


女の子が・・・



いや、空が大きく目を開いて、何を言われたか分からないような表情をしているのを見て思うに、俺が思っていた漢字は違うのだろう。


「ち、違いますよ。

その『新鮮』じゃなくて、神に泉と書いて『神泉』です」


一瞬の間を置いて、空が慌てて訂正してきた。


「そんなの分かっているよ」


「絶対に嘘。

顔が真剣でしたよ」


目を瞑り両手をジタバタさせて、まるで子供みたいにぐずり出した。

これで大学二年生とはな。

大学二年生・・・


「えっ、ていうか大学二年生なのかよ。

高校一・二年生だとずっと思ってた」


さっきにも増してジタバタさせる姿を見て、本当に大学二年生なのかと疑いたくなるが、そういえばテストのときも問題が解っていたし、信じられないが本当に大学二年生らしい。
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