空を翔ける一筋の流れ星
妃來の持ってきたノートをもとにレポートの作成を進める。

作成したレポートを持ってきてくれれば、ほぼ丸写しで楽に終わらせることができるのだが、そこは妃來が許してくれなかった。


「だるい。

このレポートって何字だっけ?」


「一万」


「あの教授、手書きで一万も書かせるなよな。

妃來、もう手っ取り早く写させてくれよ。

じゃないと、俺が静かな間はずっと空は暇になっちゃうから可哀相だろ」


レポートで必死になっている俺の横で、妃來はわざわざ部屋を一生懸命に掃除をしてくれていた。

その横で嬉しそうに笑っている空を見ると、とても可哀相には見えない。

もっとも、妃來には空が見えないのだから暇なのか嬉しそうにしているのか、それとも可哀相なのか分からないのだが。


「それなら大丈夫だよ。

私が空ちゃんと話していてあげるから」


「ああ、そりゃどうも」


わざと、皮肉っぽく答えてレポート用紙に目を向けて続きを進める。

こんなときに妃來も霊感が強いなんてな・・・
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