空を翔ける一筋の流れ星
「どうしたんだよ」


嬉しそうに笑っていた空が、驚いた表情に変わり固まったかのように動かないことに気づき声を掛けたが、それでも表情は変わらずに固まったままだった。

空の視線の先には妃來がいて、特に何ら変わったことなど一つもないのに一体何にそんな驚いているというのだろう。


「い、今、妃來さん・・・

私と話すって」


「別にどうってことないだろ。

幽霊のお前と話すなんて」



現に俺がお前と話しているじゃないか


そう言いかけたとき、空が幽霊ということを思い出した。

そして、普通の人ならば空は見えないし、声だって聞こえない・・・


「おい、妃來。

お前、まさか空が見えるのか」


「見えるよ。

翔には言ってなかったけど、私だって小さいときから霊感が強いんだから」


当たり前のことのようにサラッと言われると、特に大したことのないように聞こえるが・・・



「えええ」


自分の部屋だが、つい大声を出してしまった。

ちょっとでも騒いだら隣から苦情が来る部屋なだけに隣人がいないことを願うことしかないが、そんなことはどうでもいいくらい今の発言は俺にとって衝撃的だった。

今まで一緒にいて、そんな素振りを一度も見せたこともなかったし、一言も言っていなかった。
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