空を翔ける一筋の流れ星
「だって・・・

私が見える人、あなたしかいませんから」


今にも泣き出しそうな顔で、小さいながらも精一杯声を絞り出したのだろう。

なんで、幽霊にこんな顔をされなければならないのだ。



こんな言い方は失礼だが、よくこんな大人しい子が自殺をしたものだ。



いじめ?



失恋?



家庭?



原因はどうあれ、余程の大きいショックがあったのだろう・・・



だけど



死んだら全てが終わりだ。


「じゃあ、勝手にしろよ」


そう思いながらも、俺は冷たくあしらうことができなかった。


「はい!」


泣きそうだった顔が満面の笑顔に変わり、出会ってから一番元気がいい声で返事をしてきた。


(ったく、こんな子が幽霊だなんて、世も末だな)


「星、綺麗ですね」


そう言われて、もう一度空を見上げる。

さっきまでと変わっていないはずだが、どこかさっきよりも綺麗に見える。



この子のおかげ?


「いや、ないない」


「えっ」


思わず口に出してしまった。

女の子が不思議そうな顔をして、それでもどこか嬉しそうな顔でこちらを向いている。


「何でもない。

それより、一日も早く成仏してくれよ」


こうして、俺たちのドタバタ生活(?)が始まりを告げた・・・
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