空を翔ける一筋の流れ星
何てことを言ってしまったのだろう・・・



空の気持ちを考えずに口に出してしまった言葉。



妃來がいるにも関わらず口に出してしまった言葉。



偉そうなに言ってしまった自分に対しての怒りと、深い後悔が部屋を出た瞬間に体中に纏わりついてきた。

こんなときは原付でいつものマンションに行き夜景を見て気持ちを落ち着かせるのが一番なのだが、一歩一歩が凄く重く、駐輪場までが果てしなく遠く感じる。

さっきの自分、その自分が口にした言葉がその間に頭の中を何度も繰り返し出てくる。



ようやく（実際にはほんの十数秒ほどなのだろうが）原付に辿り着き、エンジンをかけようとしたとき、慌てて部屋から出てきたために鍵を忘れてきてしまったことに気付いた。

今戻るのは気まずいが、あそこの夜景を見ない限りはこの気持ちは落ち着かない気がする。

ほんの少しだけ迷ったが、すぐさま部屋に鍵を取りに戻ることにした。



戻ることにしたことはいいが、どうやってもう一度部屋のドアを開けようか・・・

あんな風に出ていって、無言で入るのは気まずい空気を更に気まずくしてしまわないだろうか。

しかし、この顔のままで何かを喋ったとしても同じだろうし、明るく喋ることなど到底できない。

部屋から駐輪場までは長く感じた時間も、駐輪場から部屋までは一歩一歩が重く感じることもなく、あっという間にドアの前についてしまった。
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