空を翔ける一筋の流れ星
携帯電話の着信音が鳴り響いたのは、公園のベンチに座って十分くらい考え事をしていたときだった。

静かだった公園にいきなり着信音が鳴り響いたので驚いてしまい、その拍子についつい携帯電話を落としてしまった。

拾い上げて画面を開くと、着信は妃來からだった。


「もしもし」


「私もう帰るね。

空ちゃんも翔の気持ちや言いたかったことは分かってくれているだろうし、さっきのことはあまり気にしなくてもいいと思うよ」


「あ、部屋の電気つけたままにしといて。

すぐ戻るし、真っ暗だと空が可哀相だから」


小さく笑い、電話の向こうでは妃來が何かを言っているのだろう。

しかし、受話器に手を当てているためか何を言っているかまでは分からなかった。

恐らくは空に何か言っているというのは予想できるが・・・


「分かったよ。

じゃあ、またね」


その声は苦しくなっている俺の胸を優しく包み込んでくれ、苦しみを取ってくれるようだった。

だけど、その後には別の苦しみを運んできてしまうことも知っている。



いつからだろう・・・



いつもの声、当たり前だったはずなのに・・・
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