空を翔ける一筋の流れ星
「おい、翔」


歩いている速度を落とし、みんなと少し離れて後ろに歩いている俺に一葉は声を掛けてきた。

これも分かり切っていることだが、一葉はこういうところに全く興味がないし、幽霊とかそういうことに対して全く恐怖心を持たない。

近付いていてきた一葉の顔を見れば、今回もいつも通りといったところだろう。


「ぶっちゃけた話、ここどうなの」


前の二人には聞こえないように耳元に小声で聞いてきた。

一葉には言っても大丈夫だろうから、俺も耳元に口をやった。


「いるよ。

この場所ではないけど、このスポットのどこかにいる」


そう言うと、前の二人が驚いて声をあげた。

やばい、今言ったことが聞こえてしまったのだろうか。



が、二人の様子を見ると、どうやら小枝か何かを踏んでその音に驚いたらしい。

本当に平和な二人だこと。


「そうなのか・・・

俺らこのままいても大丈夫なの」


「そこまでは分からない。

けど、いい霊ではないということは分かるから、正直このまま進むことはあんまりお薦めはできないな。

とりあえず、本当にやばくなったらサイン出すから、そのときは適当に上手いこと言ってくれよ」


そう言って、一葉の背中を押して前の二人の真ん中に押しやった。
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