空を翔ける一筋の流れ星
短い石段を登り切ったところに広場があり、そこに足を踏み入れた瞬間に体中を握りつぶされているような重い空気が圧し掛かってきた。

まるで金縛りにあったかのように体の自由が奪われたような感覚・・・


(ここはさすがにヤバい)


そうとも知らずに他の三人は変わらずに歩いている。

最初は怖がっていたが、歩いているうちに時間が経ち、そのためか恐怖心が薄れてしまっているため、今ではふざけ合っている。


(どこにいる)


俺を握りつぶそうとしている主を全身で感じようと、目を閉じ神経を集中させる。

早いところ見つけて、ここからあいつらと去らなければ大変なことになる。


「翔」


俺の異変に気付いた一葉が近付いてきたが、今は一葉よりも主を見つけることが先決で神経を集中させたまま深呼吸をする。


「いた」


目を開けると一葉と目が合い、無言で合図を送る。

小さく頷いた一葉は前の二人のところに早足で行き、二人の背中を軽く叩き驚かせた。


「なんか、翔のやつがさっきのところで携帯落としたかもしれないらしいから、一緒に探しにいってやろうぜ」


こういうとき本当に頼りになる奴だと思う。

とにかく、この場から早く立ち去らなければいけない・・・
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