空を翔ける一筋の流れ星
広場から立ち去っても、体に圧し掛かる空気は変わらずに重いままだった。

どうやら、完全に俺たちが標的になってしまったらしい・・・


「一葉・・・」


聞こえるか聞こえないか微かな声だったが、その声に一葉はちゃんと反応してこちらを向いてくれた。

この状況を口に出してしまっては他の奴らがパニックになってしまい、そのまま幽霊を煽ってとんでもないことになり兼ねない。

一葉をじっと見つめ、唇をきゅっと引き締める。



それを見て、一葉は小さく頷き「すまん」とさっきの俺と同じような声で言った。


「ああ、面倒くせえよ。

もう、翔一人で探せばいいだろ。

俺らは車に先に戻ってようぜ」


戸惑っている二人の肩に腕をかけてこちらに振り返った。


「こんな怖いところに翔一人はさすがに可哀想だよ・・・」


「怖いところだからこそ、翔が一人で探せばいいんだよ。

ほら、行くぞ」


そのまま、半ば強引に二人を引っ張り車のほうへと引き返して行った。
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