空を翔ける一筋の流れ星
「あんたには申し訳ないが、俺はこういうしみったれた空気が大嫌いなんだ。

少し話をしようぜ、例えば・・・」


本当に一か八かだ。



いや、そんなものではない。



はっきり言って向こうにとっては、全くの無意味なこと。

そう思われて当たり前のことを、今から俺は口にしようとしている。

そして、それに応じる可能性はほぼゼロに近いことなど、改めて思っても仕方がないことだ。


「なぜ、あんたがこんなふうになっちまった・・・とかよ」


後ろにいる空が手で口を押さえて、少し後ろにのけ反るよう姿勢になったように感じる。

考えてみれば、空にこの質問をしたことは無かったように思う。


(やっぱり、幽霊はこういう質問は嫌なんだな)


空の心配もしてあげたいが、残念ながら今の俺にそんな余裕など微塵もない。



たまに吹く夜風の音が必要以上に大きく聞こえ、それ以外の音が無くなった。
< 81 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop