空を翔ける一筋の流れ星
学校の教室、廊下、中庭・・・


帰り道、駅のホーム、公園・・・


様々な場所で過ごす三人が、一気に流れていく。



そうしていくうちに気付いたことがある。

これは、俺が特別だから気付いたという訳ではなく、この光景を見れば誰でも分かることだろう。


好きという気持ち


男の子に対するその気持ちが、片方の女の子から伝わってくる。

その女の子こそが、俺たちの目の前にいた幽霊が生きていたときの姿なのだろう。



こんなにも笑って、こんなにも仲が良さそうにしているというのに、一体、彼女をこんなにも変えてしまったのは何が原因だったのだろう。

記憶の光景がまだ続いているが、そんなことを必死で考えてしまう。



そんな俺の考えを察したのか今まで三人で一緒にいた記憶の光景から、女の子二人だけとなった。

どうやら放課後の教室のようで、二人は何か真剣に話している。

記憶の光景からは、話し声や物音などは一切聞こえてきやしない。

それでも、彼女が友達の女の子に相談しているということが伝わってきた。

きっと、男の子のことについての相談なのだろう。



その光景に俺の胸が締め付けられる。

そのときだけ、俺は友達の女の子のことが気になってしまった。

この記憶の光景を見せている本人のことではなく、一体、あの女の子はどういう行動を取るかということに。



先に友達の女の子が頬を少しだけ緩め、幽霊の彼女の肩を軽く叩いた。

それにつられて同じような表情をして、二人は教室を去っていった。



相談はされたものの、とりあえず「頑張って」としか言えなかった。



別の女の子の視点でいけば、そういう感じの二人の会話だったのだろうか。
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