空を翔ける一筋の流れ星
入学して一ヶ月も経たないうちから始めた本屋のバイト。

二年半、無遅刻無欠勤だった記録も遂に途切れてしまった。



打ち明けなければいけない。



そう決めたとき、真っ先に目に映った場所。



どうしても、そこでなければいけないということはない。

別に自分の部屋だろうと、人気のない教室、静かな公園などでも構いやしない。



それでも、俺はバイトを休んでまで、あの場所へと向かうべくモノレールに揺られている。



他の路線を使って立川まで出る方法もあったのだが、そんなに所要時間と運賃が変わらなかったのでこちらのほうを選んだ。

新宿や渋谷などと違い、どこか落ち着いた雰囲気のある街並みをぼんやりと上から眺める。

ゆったりと流れるこの時間が、初めて利用したときから気に入った。



意思を固めたものの、打ち明けたところで何かが変わるのか。

もしかしたら、今のぎこちない空気を何とかしたいためだけに、打ち明けるのではないか。

そうだとしたら、他に策はあるのではないか。



などと、様々な考えが頭の中で激しく混ざり合い、ぼんやりとした表情とは裏腹に全く穏やかではなかった。



また一つため息をつきそうになり、それを必死に堪える。

ため息をつく度に、肩を僅かに上げて怯える幽霊が俺の後ろにいる。

そのため、モノレールに乗ってからはため息をつかないと心掛けてはいるが、無意識とは本当に厄介なものだった。
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