デスペリア
「というか、リタ。ゆっくり休んでなきゃダメじゃないか!お腹の子に何かあったら」
「過保護すぎるのよ、あなたは。大丈夫、無理なんかしていないわ。休んでばかりじゃ、ちょっと動きたい時もあるんだから」
「でも……」
「つべこべ言わない。本当は、子供をなでなでしたいくせにぃ」
「君には頭が上がらないよ」
観念したかのように夫は膝をつき、妻のお腹に耳を当てて、撫でた。
「男の子かな、女の子かな」
「分かるのはまだまだ先よ」
「ねえ、名前はどうしようか」
「もー、気が早いんだから。性別が分からないんじゃ、つけようがないでしょ」