デスペリア
「いかがいたしましょう」
「先ほど、第零師団出撃の許可が下りた。準備が出来次第、すぐにでも出立する」
「隊長自らお出になるのですね。これで奴らも……!」
「ああ。貴公はすぐに零師団にこのことを伝え、招集するように」
「はっ!」
敬礼をした兵を見送った後、別の影が入れ違った。
第二部隊隊長のオメックだ。強面ながらも人望厚い彼は、私の良き友人でもあった。
「行くのか」
疑問符もない言葉は話を聞いていたからに違いない。