デスペリア
私の背には数えきれない命がいる。
その全てが私と同じ駒。故に、私も駒にならなければ、後方の彼らを守れない。
ここで私が駒であることを否定すれば、後方の者たちは死に絶える。
後には引けない。
進むしかないのだ。
意思はある。きっちり、自分の中に。
だから行こう。
「隊長。第零師団、招集完了致しました」
「ご苦労」
「これで“人間共”を根絶やしにできることでしょう」
「ああ。我ら魔物の力を思い知らせよう」
――だから、行こう。
後ろを振り返らずに。