デスペリア
「逃げる者に兵を割くよりは、街にいる敵を殺した方が効率的だ」
「かーっ、甘い甘い。人間はしぶといぜぇ、怖いぜぇ。生き残りなんか作ると後から面倒だぜ?」
だよなー、と適当な骸骨を掴み、話しかけた男。
「俺様としちゃあね、やっぱり追うべきだと思うのよ」
腹話術の真似事か、骸骨の歯をカタカタ鳴らしながら男は付け足す。
「ならない。数が減れば、街にいる部下たちが危険だ」
「いーじゃんかよ。そりゃ、多少、犠牲は増えるだろうけどさぁ。ぜってー後から後悔するぜぇ。『殺しておけば良かった』ってな」