デスペリア
「魔物の駆除はどうなっているのだね」
「はい。総帥のお言葉通り、首都周辺の守りは完璧であり、他国と比べて、あまり損害はないかと」
「魔物の根城に向かった部隊はどうなっている」
「そ、それが……」
言葉を濁す男に、総帥は初めて目を向けた。
威圧感が精神を刺したか、男は目を泳がせ、唾を二度飲む。
「南タイガン平原を抜けた後、その、壊滅状態、で……」
「森についてはどうなった」
「総帥の命令通りに森は全て焼き払いましたが……それ以降、主軸となる戦力が……決して、総帥の判断が間違っていたのではなく、ええ、部隊が弱かったので、ま、まったく使い物にならない兵ですなぁ」