デスペリア
「我も息子を殺された。人間に」
「魔物に家族なんかいるわけねえだろうが!」
「三人いた。妻さえも殺された」
「黙れよ!嘘をつくのも大概にしろ!」
「何もしていない。いや、何もしていなかったから殺された。人間にとっての脅威だと分かれば、人間も手を出さぬはずだったのに」
「さっきからごちゃごちゃと――」
「貴様は、罪悪感はあるのか?我ら種族を殺した罪悪感は?」
「あるわけねえだろうが!てめえらは、俺の家族を……!」
「ならば、我らとて“同じ”だ」