コンドームを買いにいく夜は

女が見えた。

正式な言い方にするとこうなるだろう。

ボクの親しい異性が外灯に照らされながら歩いている。

彼女はボクに気づいた。

微笑みながらボクに手を振る。

「性格の良い女性だ」

口という扉から本音という心が漏れた。

静寂の世界で電子音が響く。

メールの受信を知らせる音。

彼女がボクに微笑みながら携帯を振る。

彼女からのメール。

暇だったらしい。

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