コンドームを買いにいく夜は
目が覚める。

裸の彼女に毛布をかけた。と同時に人形のような女を思い出した。

シャツを羽織りベランダに出る。

「もうすぐ朝だ」

苦そうな顔は気持ちよさそうな顔になっていた。

何故か心が軽くなった。

煙草に火をつける。

気がつけばベランダの床には吸殻が溜まってる。

ボクのベランダは別名「吸殻留置所」だ。

そんな事を思いながら初めの一口。

煙を吐いた。

白く、薄く、淡く、儚いその煙は気持ちよさそうな顔にすぐ消えた。

本当にすぐ消えた。

そんな煙を見ながら次の二口目。

煙を吐いた。

不安を感じた。

すぐに消える煙は彼女がすぐに消えてしまうことを想像させる。

消えないで欲しい。ただそう思った。

煙草を吸殻留置所に捨てて彼女の所へ戻る。

寝ている彼女を抱きしめながら大事にしようと思った。

彼女のおでこにキスをした。



大事にしたいと思った。
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