それでもオレは愛してる(>_<)
 「まさか、本当にその、同意を取るためだけ、に、こんな、朝っぱらから、電話してきたってわけか?」
 オレの声は、もうどうしようもないぐらい低くなっていて、地の底を這っているような感じだった。

 「うんってば」

 「………ほんっとうの、ほんっとうに、それだけ、か?」

 肯定するなよ。

 頼むから、肯定、するなよ。

 されちまったら、いくら温厚で通っている、オレでもキレるからなっ。

 心の中で叫びながら、もう一度だけ、尋ねてみる。
 「ほんっとうの、ほんっとうに、それだけ、だってば!」

 無情。

 …………オレは、心の奥底から噴火直前のマグマのような激情が競りあがってくるのを、止めることが出来なかった。

 あまりの怒りに、手はとっくの昔にけいれんを起こし、額には定石通り、青筋まで立っている。
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