それでもオレは愛してる(>_<)
 「ええ。すぐに佐伯さんの携帯に、連絡しようと思ったんですが、しいさんが

『駄目だよ。今は運転中だろうし、家に着いても、今日はネットで愛しの姫君に逢う日なんだからね。』

 って、おっしゃったんで、お邪魔してはいけないと思いまして……。」

 「後で、しいが連絡入れるからってことになったんだな。」

 「そうなんです。」

 耳に心地よく響く良い声で、爽やかに将に肯定されて、オレはガックリと膝をついてしまいそうになった。

 「………頼むから、今度からそういう時は、お前がすぐにオレに連絡してくれ。」

 オレの心の底からの、本気の頼みを、何処まで理解してくれているのか、わからなかったが、

 「はいっ。わかりましたっ。」

 っという、俳優の卵らしい魅力あふれる笑顔での返事を、将はオレにくれた。

 本気の本気で、頼むぞ、将。

 心の中で必死に頼みつつ、ふと気が付くと、先刻までここに居た、しいの奴がいない。

 「しいの奴は何処に行ったんだ?」
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