それでもオレは愛してる(>_<)
 握り締めた両の拳が怒りに震える。

 「ま、まあまあ、抑えて下さい、佐伯さんっ」

 将が、オレの肩を叩いて、言ってくれる。

 やっぱり、お前だけは解ってくれるよなっ。

 浮き世の情が身に染みる。持つべき友は、やっぱり同性の友だっ。

 あーんな、可愛げのない、トンデモ女どもなんてなぁっっ。

 「将っ。」

 だが、万感を込めて将に抱きついたオレの背中に、しいからの情け容赦のない、言葉がナイフのように突き立てられた。

 「なぁに、そんなトコでまーくん相手にラブシーンやってんの?

 いくら女日照りだからって、みんなのアイドルまーくんに、手ぇ出しちゃ駄目だよ?

 あ、でも、2人の合意の上で、しかも天下の公道の上で、今どうしても、本番になだれこみたいっていうんだったら、犯罪とスキャンダルにならない程度にしてくれたら、いちおう反対はしないけどね。」

 …………………………誰か、オレに心の休息を与えてくれ。

 オレは真っ剣に、心の底から祈った。
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