それでもオレは愛してる(>_<)
 「どこが、だ?」

 「そりゃあ、全部。」

 にっこりと笑って、しいは答えた。

 答えになっていないって事を、判ってて言ってるんだろうな、こいつは。

 それなら、オレの打つ手はこうだ。

 オレは黙ったまま、しいをじっと見た。

 オレの睡眠不足による座った目付きと、生来の目付きの悪さには、定評がある。


 フツウの人間に効くのは、オレの目付きの方なんだろうが、しいに効いたのは、オレが黙り込んだほうだった。


 案の定、沈黙を好まないしいは、1分もたたない内に、つまらなそうに肩をすくめながらも、口を開いた。

 「ル・フェスの会場内の参加者の移動用としての、ミニ交通機関としてどうかと思って。」
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