それでもオレは愛してる(>_<)
 「うん。この子。だって、可愛いじゃない、この子。」

 オレの気持ちを判ってんだか、どうなんだか、しいの奴、2回も繰り返して言いやがった。

 「絶ぇっっ対、この子ってば、あの会場にばっちり似合うよねぇ。間違いないよ?」

 さらに、たたみかけるように、オレに、向かって言って来るしいに、オレは悟った。

 そう、か。

 つまり、おまえは、もうこのリニアを、あの会場で走らせる考えを、捨てるつもりはない、という事だな?

 しいが、何かのことを、この子、と呼ぶとき、それは、しいがお気に入りとして認識していることを表している。

 こいつとの長い付き合いの中で、その事を熟知しているオレは、しいに、このリニアの設置をあきらめさせることが、もはや不可能であることを理解した。

 将と智代の2人にちらっと視線をやったが、2人とも、とうに判っていたらしく、表情に変化はない。
< 44 / 160 >

この作品をシェア

pagetop