それでもオレは愛してる(>_<)
 「で?」

 オレはしいに、話の続きをうながした。

 「うん……一応は、ただで譲ってもらった。だってどうせ、この子を造ったメーカーに、この後この子を設置できるロケーションや、スペースがあるわけでなし、役に立たないからって、廃棄処分しちゃうよりは、少しでも喜んでもらえたり、お役に立ったりする所へ、貰っていただく方が、良いことだからって。

 公式的な形としては、メーカーさんからの、ル・フェスへの寄付ってところかな?

 あ、でも、年に一度は、データをとりにいかせて欲しいって言ってたけどね。」

 譲ってもらったんじゃなくて、ゆすってもらったんじゃないのかっていうチャチャを入れたいのを、ぐっとこらえ、最後まで聞いたオレは、やっぱり、と思いながら、しいの言葉を聞いた。

 「……データを取りに来るのは、もちろんル・フェスの開催中の真っ只中、なんだよな?当然のことながら。」

 「でしょうね、きっと。」

 リニアの下を覗き込んだり、運転ルーム入ってみたりしていた将が、戻って来て、会話に加わってきた。

 「おかえり、まーくん。どうだった?」

 しいが、リニアの検分を終えた将に尋ねる。
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