それでもオレは愛してる(>_<)
 そんなことを考えながら、オレは不図、しいを見た。

 「どしたの?あっくん。」

 オレの視線を予測していたかのように、しいは相変わらず、へらへらと笑ったまま、言った。

 「今オレが、何考えてたか、おまえ判ってるんだろ?」

 どうせ、いつもの通りに。

 そう、いつもそうだ。

 こいつは、オレ達がどんなことを考えているのか、何を求めているのか、いつでも、すぐに推測してしまう。

 そして、その推測はどんな時だって、外れたためしがない。

 それこそ、気味が悪いぐらいに、しいは人間の心って奴に精通している。

 まあ、だからこそ、会社を発展させ、ル・フェスを成功させてきているんだろう。

 「くすっ。まさか。」

 笑みを浮かべた、しいの発言は油断できない。

 「なら、ためしに当ててみろよ。」

 オレが言うと、しいは考えるフリをしながら言った。

 「きっとあっくんは、手伝ってくれる人が欲しいんじゃないかなぁーって思ったんだけど、当たってる?」

 間違っているなんて、カケラも思ってもいない態度で、見事に当ててくれる。

 「おおあたり。」

 認めて、肩をすくめてみせた。
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