脇役≠ヒロイン
「ここ?」
「うんそう」
私達の目の前に建つ高層マンションを見上げて、眞野が隣で驚いてるのが分かる。
「宇佐見ってお嬢様?」
「ぶっ、お嬢様って」
お嬢様、という言葉に思わず噴き出す。
「だって何階建てだよこれ」
「37階」
それを聞いて、眞野は見上げたまますげぇなと呟いた。
「お嬢様は早く帰らないと親に叱られるんじゃねぇの?」
はっとした様にこっちを見たと思ったら、ちょっとふざけた口調で聞いてきた。