脇役≠ヒロイン
「そんな顔で否定されてもねぇ」
「うるさい!」
顔が赤くなっているのが自分でもわかる。
「ほらほら、お兄さんに話してごらん」
「お兄さんって、同い年でしょーが!」
私がそう言うと、東雲は眉を少し下げて困ったように笑う。
「なによ、、、」
その顔に何だか調子が狂う。
「実は俺、うさぎちゃん達より一個上なんだよねぇ」
「え、、、」
色々な噂話は知っているけど、そんな事は一度も聞いたことが無かった。
「病気でねぇ一年留年してんの」
「、、、病気?」
病気で、なんて今の東雲のイメージとはかけ離れすぎていて想像出来ない。
「今は、大丈夫なの?」
私の記憶が正しければ、東雲は喧嘩もしてるはずだし(誰よりも楽しそうに)、バイクだって乗り回しているはずだ。