脇役≠ヒロイン
「別に・・・」
ウソ、本当は凄く気になる。
でもそれを、こいつに素直に言うのは癪だから言わない。
「顔に書いてるよ?気になるーって」
「・・・あんたに関係無いでしょ」
「あの電話、女だよ」
ズキッと胸が痛む。
女って、彼女ってこと?
「宇佐見悪い、ちょっと用事出来た」
電話が終わって戻ってきた眞野が申し訳なさそうに言う。
「じゃあ俺が送ってくよ」
「悪いな晴世、宇佐見悪いな気を付けて帰れよ」
「う、うん・・・じゃあね」
別れを告げると、眞野は足早に帰っていった。
そんなに急ぐほどの用事って何?とか、電話の相手は本当に女なのかな?とか、頭の中をぐるぐると駆け巡る。