脇役≠ヒロイン
こういう日に限って、時間は早く進む。
いつもこうだったら楽なのに。
「どうしよう梓、放課後になっちゃったよ・・・」
「どうしようって、サッサと行って早く帰ろうよ」
そう言っても、千里は自分の席から動こうとしない。
「千里、早くしないと私帰るよ?」
「だっ、ダメ!」
ガタンと、音をたてて立ち上がった千里の腕を掴む。
「じゃぁ、ほら行くよ」
「待ってーまだ心の準備がっ」
騒ぐ千里の腕を掴んだまま、私は屋上に向かった。
この時に屋上で待つ人物を知ることが出来ていたら、絶対に屋上に行かずに帰ってた。