脇役≠ヒロイン
神沢蓮次の告白に千里はというと、顔を赤くしたり青くしたり。
私は、秋口の冷たい風に腕を擦りながら入口近くの壁に凭れて眺めている。
「で、返事は?」
「え、えっと・・・ご、ごめんなさい」
「好きな奴がいるのか」
「い、いません」
何だか、このままだと流されそうな予感。
「あのー、ちょっと良いですか?」
「あ?」
千里に向けられていた目が、こっちを見る。
心なしか睨まれている気もしないけど、KYなのは承知の上だ。
「いきなり告白されても、困ると思うんですよね」
しかも貴方に、という私の言葉を聞いた神沢蓮次は、眉間にシワを寄せ千里を見直す。
見られた千里は、ビクッと肩を跳ねさせる。