十†字†路
「私は怪しい事を言われただけです!」

少女が大声で凄い事を言う。
他の誰でもない、ワタシが…怪しい!?


「あ、怪しくないッ!ワタシはただ不幸を救済してあげようとだな…」
「怪しい怪しすぎますッ!なんですか、その宗教の勧誘みたいなのはッ!!」

ディベートの様な言い合いをしていると女性は呆れ、彼女は未だ笑っていた。
…このアマ……

「アハ…ハヒィ…笑い殺す気かアンタ達は…」
「零、君は大体理解出来ただろ?二人に説明してやってくれ……」

ワタシはタメ息を吐いた。
これだけ重いタメ息を吐いたのも久しぶりだった…

「フフフ…じゃあロリコン変質者の代わりに説明しようかね」

ロリコンでも変質者でもないッ!というワタシの声を無視してか、彼女は話を進めてゆく。

「まず不幸を救済するっていうのはね、コイツのチカラなんだ。不幸を取り払う、そんなチカラ」

具体的には少し違うが、まぁ詳しく言えばややこしくなるから黙っておくか。

「ソレを説明しようとして毎度のごとく逃げられたんだろ?学習能力の無いロリコンめ」

だからロリコンでも変質者でもないッ!というワタシの精魂込めた訴えをまたもや遮り、彼女は続けた。

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