十†字†路
「あ、そう言えば、美雷の言ってた奇跡だけどさ」

私の落ち込みっぷりを見て、言ってはいけないことを言ったと気付いたのか、急に話を変えた。

「奇跡に詳しいヤツって…どんなヤツだろうね?」
「さぁ…?」

まさか聖人とか?
とゆーか奇跡に詳しいヤツと知り合いっていう先生も謎だ…

「まさか…怪しい宗教の教祖とか?」
「怪しい宗教って……」

二人眼が合う。
すごくヤな以心伝心。

「その変質者だったりして…」
「いや、怖いから…」
「先生の紹介で仲良くなって…結婚とか?」

ゴガッ。
本日最大最速の一撃を。

「ペゲッ!?い、痛ァい!バーカバーカ!ユキなんか変質者にエロレロされちゃえー!」

数時間前に聞いた事のある捨て台詞を残して走り去る。
だからなんだよ、エロレロって…

「ってアレ?ココは…」

横を見ると私の家。
どうやらホントに無事に送ってくれる事が目的だったみたいだ。

「なんなんだか…」

ホントに変な子。
だけど、
ホントにいい奴で、
ホントに私の心配をしていたみたいだ…

でも…

「思う存分、好き勝手に言われた様な気もする…」

ハァ…とタメ息を吐いて、家に入った。

本日も色々と疲れたよ…

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