十†字†路
★裏十字路~第三章~

暗路4・快晴天気~Fine~

◆ ◇ ◆



「須佐野さん、貴方ホントに学習しないんだな…」

呆れ気味に言う男。
向かい合う形で座っているから、至近距離でバカにされている。
ワタシの方が年上なんだけどな…

「ホントに有り得ないですよ…信じられねぇ…」

なんでワタシがココまで言われなくっちゃならないのか…
少し考えてみよう。

まずは彼と会う前から…



◆ ◇ ◆



曇りひとつ無い、
実に良い天気だ。
蒼天とはこの様な空を言うのだろう。

その透き通る様な蒼さに、ワタシの心は見事なまでに……

「クソッ…」

荒んでいた。
昨日からずっと胸が変な感じだった。

ムカムカの様な、
モヤモヤの様な、
なんとも言えない気持悪さ。

「あの娘にあってからだ…あの不幸な少女に……」

ワタシを拒絶して全力で逃げた少女。

そんなにワタシの言動がおかしかったのだろうか?

まぁいい。
もう出会うこともあるまい。
何処か知らない場所で、今日も彼女は不幸な目に遭うだろう。

ワタシとは無関係な場所で…
ワタシとは無関係な少女が…

随分と違うんだな…
この輝く蒼天と、
ワタシの荒んだ気分と濁ったココロは…

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