十†字†路
様々な拒絶を言われた。

コレは祓えない。
コレは大きすぎる。
コレは別物。
コレは…無理。

中でも印象的だった人。
有名な霊能者だとかいう人に言われた事。

『未来過去現在、複雑に因果が絡み合う…この糸をほどこうと思うと…元から…根源から解決しなくちゃ無理ね』
「根源…から?」
『カルマ、混沌として淡々と、複雑に大雑把。そうね…メビウスの輪、と言うべきかしら?』
「すみません、全然わかりません」
『あら、そう?複雑に絡み合う運命の糸、だけど実際は1つで繋がってるの』
「つまり……どういうことですか?」
『…アッタマ悪いわねぇ。いいわ。円周率を3と言えるぐらい、馬鹿にも解りやすく、簡潔簡単明解に言ってあげる。前世、来世、常世、現世、あらゆる方向から呪われてるわ』
「しゅ…集中攻撃!?」
『そういうこと。かなり簡潔に要約すればね。ホントはもっともぉーっと複雑よ。一介の霊能者に祓えるワケが無いわ』

ハッハッハーと愉快そうに手を広げ笑う。そして去り際に一言。

『じゃあね。君に幸あれ』

指二本で敬礼の様に額に当て、その手を私に向ける。
君に幸あれ…か。ボロクソ言っときながら、気休めもいいところだよ。

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