十†字†路

もうロリコンでいいですから本題にいきましょうよ…と負け犬の哀れな囁きが一番ハッキリ聴こえた彼の声だった。

「そうか、折角盛り上がってきたとこなのに残念だ」
「後でゆっくり話そうじゃないか、零」

あ、先生以外と本気で怒ってるや…
仲がいい人に対しては、怒る時は本気で怒るからなぁ…

「じゃ、話を戻すね。命…コイツは不幸専門の祓い屋ってとこで、アンタを祓ってくれるありがたーいロリコンだ。不気味に思わずに、感謝して敬う様に」

ロリコンって時点で敬う事が出来ません…

その紹介が終わると、一歩前に出て自己紹介を始めた。

「はぁ…実に散々な紹介だな…。ワタシは須佐野命、紹介の通り不幸専門の祓い屋みたいなモノです」
「私は高校の教師の宝杖美雷です。そしてこちらが不幸な教え子の庵樂幸菜です」
「よ、よろしくお願いします…」

自己紹介が終わると、変質者…もとい須佐野さんが篠森さんと話し出した。
離れて小声で…まるで聴こえてはいけない内容を話すかの様に…

何を話しているかは解らないが、やっぱり油断は出来ない。

油断をすれば怪しい壺を買わされたり、怪しい団体に入らされたりするかもしれないから。