夢の続きで逢えたら

祖父は、他界する二年前くらいから、

耳がだいぶ不自由になっていたというような内容だった。



祖父の病名は聞かされてなかったが、

母さんが、耳硬化症を知らないことからも、


おそらく、年齢的に耳が遠くなっていただけだろう。



その時、通っていた病院が確か、宮下だった。


父さんの飛行機での言葉も思い出した。



耳硬化症の詳細を聞くのはやはり怖かったが、

ここまで来たらあとには引けず、

僕は静かに病院のドアを開けた。



中は思っていたよりも狭く、

終了時間が迫っていたからだろうか、

待合室は閑散としていた。




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