夢の続きで逢えたら

「あの、すいません」


受付の女の人に声をかける。


「診察券と保険証はこちらにお願いします」


「あっ、そうじゃなくて…宮下先生いらっしゃいますか?」

「先生ですか?」

「はい」

「ちょっと待って下さいね」


そう言って女の人は、

先生を呼びに、診察室へと入っていった。


息をつく間もなく、

再び診察室のドアが開いた。


中から出てきたのは、

五十代くらいで背が高く、眼鏡をかけた男性で、

医療器具を首から下げ、髪をしっかりとオールバックで固めた、

いかにも医者という感じの人だった。


「どうも、宮下ですが」

僕は頭を下げた。


「あの、聞きたいことがあるんですけど」


先生は時間を確認し、

助手の人に「今日はもう終わりにして」と伝え、

僕を外に出るよう促した。






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