夢の続きで逢えたら
第六章
晴れ時々曇り
…―――
十一月二十四日。
日曜日。
オーディション初日。
寒空の下、僕ら四人は都内にあるオーディション会場の外にいた。
少し高い段差に登って、周りを見渡す。
人の数が尋常ではない。
三千人くらいはいるだろうか。
やっぱり東京は規模が違う。
一次審査は、日本全国、各地区で行われ、
三次審査から、通過者が東京に集まるようになっている。
つまり、二次審査が終わった時点でかなり人数は絞られるわけだ。
「応募者の数は知ってたけど、ちょっとこれ多すぎない!?」
詩野が僕の隣りに並んで、苦笑いをしながら目を細めた。
「耳で聞くのと実際に見るのじゃ全然違うわね」
「確かに。でも詩野ちゃんならこんな奴ら楽勝だよ」
ポケットに手をつっこんで、身を縮める浩二が僕らを見上げる。
「だといいけど」
心配の中にどこか自信を覗かせる詩野をよそに、
僕はジャンプして段差を降りた。
「それより大輔、アレ、ちゃんと持ってきた?」
「もちろん」
そう言って大輔は僕に向かって親指を立てた。
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