夢の続きで逢えたら

「どうしたの?もう気合いなら十分よ?」

「わかってるよそんなこと」


そう言いながら、僕は詩野の目を見て微笑んだ。


「はい、コレ」

「なにコレ?お守り!?」

「みんなで買ったんだ」

「嬉しい。ありがとう。頑張らなくちゃ」


詩野は笑顔でそれを受け取ると、胸に押し当てながらゆっくりと歩き始めた。



「詩野!」

僕はまた詩野を呼び止めた。

「裏!」


詩野はお守りの裏を確認すると、もう一度微笑んで、

僕ら三人に手を振った。



詩野の自信に溢れた後ろ姿は徐々に小さくなっていき、やがて人混みの中へ消えていった。




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